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 近所のお祭り(1)  



前の話


電車の中での俺達はどうも目立っていたらしい。
そりゃあそうだよな。

遅れてきた真琴は白い帯を締めていた。
付け帯なんかじゃない、自分できちんと締めるタイプの。
その下の真赤な着物は柄なんて殆どなくて、まるでワンポイントのように花がある。

つまり。
赤に白の男女って訳だ。

そりゃ目立つだろうな。

ちょっと先を歩いて文句を垂れている真琴にそれを言えば、
「そんな目立つの着るからいけないんじゃん!」
「理不尽な事言ってねぇか、オマエ」
「理不尽でも私の感情だもん」
頬を膨らませて怒りを示している。
ガキのようで、つい笑いが出てくる。
「……何、笑ってんの」
バツが悪そうに顔を赤らめて、チラとこっちを振り向いた。
「ガキくせぇー」
「しつれいねっ。こうみえても同い年でしょっ」
「精神年齢は俺のがオ・ト・ナ」
わざとからかうように言ってみたりして。

そんなうちに、夜祭の神社についた。
赤い鳥居が目の前だ。
「ひゃー…やっぱり混んでるね」
真琴は中の人の群に驚いたらしい。
「まぁ、そりゃそうだろ」
「ほら、いくぞ」
俺は先立って、真琴に手を伸ばした。
「??なに?」
『なにそれ』と、実に不思議そうに見られた。
そうされると、俺も照れるっつーの。
「……はぐれない、ように。」
視線を合わせにくい。つい、モゴモゴとなってしまう。
「あークソ。言いにくいこと言わせんじゃねぇよ」
「あ、私のせい!?」
「そうだよ、オマエのせいだよ!分かりきった事きくんじゃねえよ」
俺こそ、理不尽に責任を押し付けてしまう。
「…手、結んでくれんの?」
真琴はそう言って、俺を真っ直ぐ見上げた。
「は?」
「結ぶんでしょ?」
「そうだよ。結びてぇんだよ、悪いか!!」
そうだ。
俺は、真琴と手を結んでみたかった。
あれだけの学校生活だ。ないとは言わない。
けど、それとこれとは違うだろ?
「馬鹿だね。あたしも結びたいんだもん」
真琴は俺の左手を取った。
「同じじゃん。同じ同じ」
2人、横に並んで。
「……だな」
チラと真琴を見れば、ちょっと真琴も恥ずかしいらしい。
恥ずかしいのをバラしたくないのか、表情が硬い。
「石になってんじゃねーぞー真琴ー」
あまりの嬉しさに、からかうように笑ってつい言ってしまった。
「な!?」
「顔、石になってるぜ」
「ななななな、なってないわよ!」
「どもってんじゃねぇよ、証拠になっちゃうぜ」
ケラケラ笑って、先に歩き出した。
手を繋いでいる関係で真琴も、つられるように歩き出す。
「石になってないってば!!」
「んじゃあ“固まってる”」
「同じじゃない!」
「同じだな」

「んもー!! 結ぶのやめたっ」

「えっ!?ちょ…待て!」
「先行くからね!アンタ追いかけてきなさいよ!」

真琴は裾が翻るのも構わず、走って人ごみに消えていった。

「真琴!!」
叫んでも後の祭り。
あとに残されたのは俺1人。

「やべー……言い過ぎたか…」
せっかく、こういうシーンで結べたのに。
「ちくしょー」
唸っても仕方がないが、唸りたくなる。
せっかく整えたが、頭をガシガシ掻いた。



禁・無断転載|著作権は放棄してません|right reserved.
提供元:青春のアイテムで10のお題 負け戦


はい、そんな訳で。千昭の受難その1(笑)
その2もあります。ごめん、これでも大好きだよ、千昭(笑)


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