June bride(4)............................











その後。
興奮した名城。
「付き合うんなら、このまま式をしちゃえばいいんだよ!」
佐伯「それとコレとは別だ」
そうしてまた口論が始まったものの。




そのうち。















佐伯「………こんなもんか」



















ジョーカーが着る筈だった燕尾服を着ている佐伯が居た。
それを見た名城はもちろん、カスミや空木もその格好良さに興奮し始める。
名城「ちょー似合う〜!!」
カスミ「格好いいです」
佐伯「楽だな、こっちの方が。」


形無しなのは男どもで。
誠志郎「オンナがオンナに萌えてどうすんだ〜(涙)男の立場はー」
雲野「さあな」

教会には見えない教会で。
そこの主たるビショップが言葉を述べる。





「あなたはこの者と結婚し、神の定めによって夫婦になろうとしています」




「その健やかなときも、病めるときも、喜びの時も、悲しみの時も、富めるときも、貧しきときも」




「これを愛し、敬い、慰め、助け、そのいのちのかぎり、堅く節操を守ることを約束しますか」




二人「誓いません」




……二人が誓うわけは無いのであって。
ビショップ「ジョーカー……佐伯さん……;」
ジョーカー「アタシ、無宗教だもの。誓える訳ないでしょ?」
佐伯「神なんて信じてないからな」
ビショップ「形ですから…」
佐伯「嘘はつきたくない」
ジョーカー「さっきのアタシたちの会話で、OKとしなさいよ」
ビショップ「神ではなくても構いませんよ」
佐伯「自分にか?」
ジョーカー「アタシは自分に誓えるわよ?」
佐伯「お前が信用できん」
ジョーカー「シツレイ極まるわねっ!」

ビショップ「……貴方がたは貴方がたのスタンスで付き合っていくのでしょう。
自分の心に裏切ることなく、相手に誠実に居る事を誓えますか?」


佐伯「……くだらんな。だが、『誓える』と言わないと終わらないのだろう?」
ジョーカー「心を裏切った事はないし、誠実さを忘れた事なんて無いわよ」
後ろから某と某からの異論がある模様。

ビショップ「では、これが誓いとなります」
そうして、どちらも近づいて。しっとりとした口づけを交わした……。






再びの口論が始まった後。
嫌がる佐伯を抑えたのはジョーカーだった。

「結婚なんてね、二人のゴールとか二人の始まりとか言われてるけど。
 そうじゃなくてもいいんじゃないかしら?
 幸せになる道具だったりキッカケだったり、一緒に居る理由だったり。
 それは、結局あくまでも“自分にとって”でしか無いわ」

「人生は一人よ。
 一人のスタンスで、たまに休みたい時に寄り添う相手。
 アタシと佐伯ちゃんには、それが似合うデショ」

「その約束を用意したのが、あのコ達」

「仕事の契約が終わった時、ウチに帰ってくればいいわ。
 アンタの好きなお酒を用意して、ツマミを作ってあげるから」

「帰ってくるところが有るというのは時折ウザいけど、
 生死に関わる仕事のアンタにはいい薬でしょ。
 死なずに帰ってくんのよ」

佐伯の返事はこうであった。

佐伯「……ふん」

やはり、鼻でわらうのは相変わらず。

佐伯「くだらん」

だが、佐伯は口調とは真逆の柔らかい表情を浮かべていた。




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